1000円札

 今日の俺、なんかおかしいわ・・・こんな自分が嫌いや、最悪や、クソや。12時くらいに起きて、空を見ると、快晴。なぜか自分の部屋から出んのが嫌になった。カーテンを閉めて、部屋を暗くする。「なんでやろー?」そこに理由はないんやけど。今日のやる気がなくなったーガス欠や。1時間半何をするでもなく、アコギを適当に弾いて鼻歌。そして昼やのに眠たくなったから、寝る。
 そして起きたのは、夜7時。自然に目が覚めた。久しぶりに夢を見た。窓から飛び降りる夢、飛び降りた瞬間死ぬ自分が怖くなって、凄い汗が噴き出してきた。その汗の水滴で、夢ってことを薄っすら感じて、現実のしっぽを捕まえる。
 起きても頭がしゃきっとしない・・・耳鳴りが30分ぐらい続いたんかなぁーそれからシャワー浴びたら直った。おかんが用意してくれた、飯をがっつく。こういう時、一人暮らしじゃなかったことに感謝する。おかんは今日、俺のおじいちゃん・おばあちゃんの家に帰っていた。車で30分くらいやから日帰りですむ。おかんが持って帰ってきた、おばちゃんの作った手料理をがっつく。上手い。ほんまにうまい!なんなんやろーか。
 俺はおばあちゃん子じゃないんやけど、なんかおばあちゃん好きやなぁー。俺が里帰りすると、帰り際いっつもこずかいをくれる。「おばあちゃんお金ないから、あんまりこずかいやれへんけど、これで友達とご飯でも食べいー」おじいちゃんに隠れてこっそり1000円くれる。俺はそれを「いいって」って言って断るんやけど、強引に渡していく。そしておばあちゃんのいっつも言う言葉。「また、来てや」
 俺は大学に入ってから、おばあちゃんの家に帰っていない。1000円を貰う勇気がないんや。おばあちゃんが渡す1000円札は重い。おじいちゃんを立てて、隠れて俺に渡すおばあちゃん、凄いな。お年玉は、おじいちゃんがくれる。毎年わざわざお年玉を届けに来てくれる。今日おかんが俺に言った。「おじいちゃん、おばちゃん、ほんまに歳とったわ」今年の正月は、おじいちゃん・おばあちゃんの家に行こうと思った。
 なんもしてへん、今日は。ほんま自分が嫌になる。9時ぐらい、ビールを買いにコンビニまで歩いた。ガキのヤンキーがタバコをふかして、コンビニの前で4人で溜まってる。おもっきり俺をにらんできよった。イラってしたけどゴタゴタして、痛い思いしたくないから無視した。
 TVでやってたけど、ビールはまた高くなるらしい。「310円になります。」店員は蚊の鳴くような声でつぶやく。財布には小銭が無かったので、5000円札と10円をレジに出し、おつりの1000円札4枚と700円を財布の中にしまった。