ぼく、ふられました

なんやろうか、ほんま。俺が悪いんかな、ほんま。
昨日みやもんが正式に3人になった。彼にふられた。
「止めるわ」って言われて、正直ホッとしてる自分もいる。
そんな自分が嫌や、殺したい。
寝たらたいがいのことは忘れるんやけど。
どうも昨日のそれは、たいがいのことではないらしい。


今日はご先祖様とおばあちゃんの墓参り行ったよ。
おかんが行くらしいから、暇なんで一緒に行った。
どうも墓参りは、一人で行かないほうがいいらしい。
墓に花とお線香、水をあげて・・・
おばあちゃんはキリスト教やから墓が少し違う。
誰がおいたんやろう、おばあちゃんが好きやった猫のおきもんが置いてある。


なんか墓参りに行ったら、肩の力が抜けたような感覚になった。
「なんやろ?」心のもやもやもなくなった。
自分でも信じられへん。驚いてる。
昨日、みやもんのことで悩んでたんが嘘みたいや。
しばらくみやもんはやりたくない。
一人がいい。気楽にやりたい。
ほんまバンドを続けるってことは、想像以上に難しい。
「何、おおげさに言ってんの?素人の学生バンドが!」
いいんだぜ。
「はっきり言ってそんなんどうでもいいし、関係ないわ」
いいんだぜ。
いいんだぜ。
いいんだぜ。


自分自身何一つ後悔してない。
自由に自分の思ったことを歌いたい。
メンバーに受ける曲を、みんなで楽しめる曲を・・・
そんなんいらん!!!ファック!ファック!ファックッファクッフ!ァアフィk!1!
あぁーこれからの自分が楽しみや。



6.「彼氏いるん?」
 ほんま恋愛ってタイミングが大事やと思うな。例えば、好きになった相手に彼氏・彼女がいたとしたらとしたら、どうするやろうか?俺はその子が彼氏と別れるまで待つ自信も無いし、奪うこともでけへん。自分が何事もなかったかの様に、静かに消えるだけや。「好きになった子の幸せが、自分にとっての幸せ」なんてそんなこと思ってない。そんなん奇麗ごとやって思ってる。ただこのムラムラどうしてくれる!その子とヤリたい!はめたい!ファッキンしたい!19歳の秋の終わりそんなこと考えてたよ。
 確かあれは冬になるかならんかぐらいの、バイトの休憩中やった。勇気を振り絞って、その子を遊びに誘おうと電話をかけた。たかが電話かけるだけの勇気のために、約2.3ヶ月の時間がかかった。なんであんな勇気がいったんやろうか、電話かけんのに。
 突然の電話に相手は驚いてた。なんか想像していた声のトーンではなくて、その子が嬉しそうに喋ってるように聞こえたから「よし!いけるかも!」心の中でそんなことを思いながら、俺は何気ない話を5分くらいしたんや。さぁそろそろ本題にいこう。まずはファーストスッテプ。少し声が裏返りながら
「ところでさー彼氏いるん?」
「・・・・・・。いるよー!」
「マジで!」
「うん。」
「いつからおんの?」
「先週やでーほやから今めっちゃ幸せやねん
「そっかぁ・・・」
「ごめんなぁ・・・」
それはあっけなくて、なんか幼稚園児がアリ踏むみたいに簡単に。「ごめんな」って言葉は、きつかった。電話切ったとたん、ほんまに何もかもが嫌になってん。休憩が終わってバイトの現場に戻ると、笑顔を作ったよ。
「どうしたん?明るいなぁーなんかいいことあった?」
ってバイトの仲間に言われたとき、ほんま心痛かった。
 

 相手も俺の気持ちに気づいてたし、その子は待ってたよ、きっと。なんで俺は・・・でも、その子のことを考えたらどんどん臆病になって、自分の自信が1枚1枚剥がされていくような感じで・・・。そん時自分を今思い出すと、ほんまに情けない。考えること全部、後悔やら、いいわけやら、人のせいにしてたんやから。
 ふられた後の英語の時間は、苦痛でしょうがなかった・・・ほんま嫌やったわ。そこから逃げ出すことできたけど、逆にそんな負けた自分を認めたくなかったから、それから英語の時間は気まずかったけど、毎回主席したねん。そんなこと気にすることでないんかも、けど気になった。ちっちゃい男やで、ほんま・・・(続く)