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茶封筒がリビングのテーブルの上、不自然に置いてある
大学からのそれが、ついに俺にも来たか、この審判が・・・
卒業通知である
しかし・・・
あれ・・・
嘘やろ・・・
おもっきり手書きで、宛先が書いてあるぞ
学事課の茶封筒に対する、手の掛け具合
やばい・・・
留年かも・・・
福袋を探るおばちゃんみたいに、中身を推測すること5分・・・
分厚い!
でも・・・それで?
そんなに中身を探っても、結果には何の意味もないことに気づく。。。
そして恐る恐る、その封筒を開けることに

や・やったー!!!俺も、そ・卒業できたー!!!
124分の124
ギリギリってか、計算していたピッタリ賞
どうも、ジェンダー論61点というおまけちっくな授業もあったけど・・・
細かいことは気にしないでおこう
一安心、やっと肩の荷が下りた気分だよ


15.「アイ・ラブ・エレキ」
 カラオケボックスに泊まろうと思ってたんやけど、寝れる気配がせーへんかったよ。シャ乱Qの「涙の影」を転送して歌ったんやけど、曲全部を歌いきれなかったよ。一人のカラオケボックスは初めてやってんけど、寂しすぎるよ。てなことで、「いいわけ」歌った以降はカラオケは終了した。俺はアコースティックギターを、適当なコード進行でアルペジオしながら考えた。
 人と喋るのが疲れたし、会うのもめちゃめちゃ億劫やった。「ひとりでいい、いやひとりがいい。」って思っててん。でも知らんところ来て、夜を明かすところもなかなか見つからへんことは、ほんまに泣きたくなる。
「自分のしている行動に宛がないということは、どれだけ辛い事か」
人が嫌いで、何をするわけでもなく東京に来たくせに、人を欲している自分に気づいた。恥ずかしい話、行きの新幹線で、このまま永ちゃんのように成り上がろうかって、心のほんまに奥の奥の方で思ってた自分もいたことは事実。でもそんなんを絶えられるだけの、度胸も用意してなかったよ。
 イスをベッド状にして、寝転がってはタバコを吸い。体を起こして、ギターを弾きながらタバコを吸う。不健康の極み。煙をみながら、ぼやける世界。今したいことを考えた。。。エレキギターを爆音で弾きたい。カラオケボックスが割れるくらい。耳がキーンっていうくらい。Eのコードで。マーシャルで。フルテンで・・・そん時曲ができてん。なんか意識して作ろうとかなかってんけどなぁ。ただ気持ちを表現したかったよ。俺もよう分からんけど。実はそれがみやもんの「アイ・ラブ・エレキ」って曲やねん・・・(続く)



「アイ・ラブ・エレキ」


何が無くても今日は終わり 何をしようか?
何が起きても今日は終わる 何をしようか?
タバコ持つ手も震え始め 吐く息も白く
何もかもがぼやけ見えて 白く濁った


昔見てた今日って かけ離れてる
今日見てる未来も かなり かけ離れているだろう


あぁ…と叫び あぁ…と笑う あぁ…と泣く
あぁ・・・


君の事を想っています 誰より 熱く強く
遠いこの地で歌っています 届け
アイ・ラブ・エレキ


これ以上君の 変わらぬ暮らしに
うんざり思うのなら どうせ壊してしまうんだろう


あぁ…と叫び あぁ…と笑う あぁ…と泣く
あぁ・・・


君の事を歌っています 誰より 熱く強く
高鳴る鼓動抑えきれず 届け
アイ・ラブ・エレキ